5. アシタバ 明日葉  

 

 日本が原産のセリ科の多年草で、関東以南の太平洋岸,大島,八丈島,房総,三浦半島,紀州などの海浜に自生する。今日切るとあした(明日)にはもう新芽を出すほど生長が早く、そのため明日葉といわれるが実際には数日かかる。伊豆諸島では江戸時代から食用とされていた。茎の色によって、伊豆大島系は赤く,八丈島系は青く,さらに御蔵島産は茎が太いと言われる。

 

 特有の香気とかすかな苦味(にがみ)があり、食物繊維を多く含み、各種のビタミン,カルシウム,鉄分,葉緑素などを含みバランスのとれた緑黄色野菜として消費は増大している。葉や茎を切ると出てくる黄色の汁にはフラボノイド類のカルコンが含まれ、便通を整える整腸作用,抗菌作用,抗腫瘍作用,血液をサラサラにして血栓ができるのを抑えたり血圧を下げる作用が報告されている。もうひとつ豊富に含まれているクマリンは、アルツハイマー型痴呆症を予防する効果があると言われている。調理法としては、生葉のまま刻んで、汁の実,スープの浮かし,天ぷら,油炒めに、また、さっとゆで冷水に十分浸してアク抜きをしたあと、お浸し,ごま和え,のりで巻いて磯巻きに、そしてカラカラになるまでしょうゆでいり煮したつくだ煮もおいしい。栽培物は大島,八丈島から出回る。

 

選び方と保存  葉の色が濃く、切り口がしなびていないもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬  3~6月。