10. アロエ Aloe

 

 南アフリカが原産のユリ科の多肉植物。歴史は非常に古く、エジプトでは4000年前から使われており、種類は多く500以上といわれる。「アロエ」というのはアラビア語の苦いという意味からきている。わが国へは鎌倉時代に中国から伝えられたと言われ、江戸時代末期の「大和本草」(1709年)に記載がある。中型種のキダチアロエ(葉が細く苦みが強い)が気候にあって各地で栽培されて、「医者いらず」とも呼ばれ、やけど,便秘,健胃整腸などに効果がある。苦みの成分はアロインで、葉を切るとでてくる黄色の液汁である。ほかにもアロエウルシン,アロエエモジン,アロエシン、そのほかビタミンミネラル、多糖体など多くの有効成分が含まれている。

 

選び方と保存  緑が濃く、果肉の厚いもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫または、皮をむいて冷凍する。

 

アロエベラ Aloe vera

 

 世界各地で栽培されている品種で、アロエといえばこれを指す。「ベラ」とはラテン語で真実という意味で植物学者のリンネが名付けた。アメリカのテキサス州や中南米などで盛んに栽培されているが、寒さに弱いので日本での露地栽培は沖縄などの暖地以外ではできない。葉は大きく80cmにもなり、果肉も厚い。この果肉は粘りが強く高分子多糖体がたくさん含まれており、免疫機能を強化する作用,抗腫瘍(しゅよう)作用,細胞増殖作用などが確認されている。葉肉部分をスライスしてわさびしょうゆや酢みそを付けてお刺身風、四角のダイスカットにしてお好みのフルーツと一緒にフルーツポンチ、ヨーグルトに混ぜたりヘルシーサラダ、野菜スープやみそ汁の身にもよい。そしてジュースや化粧品などに加工される。