11. イチョウイモ 銀杏薯(大和芋)

 

 中国が原産のヤマノイモ科で、形がイチョウ(銀杏(ぎんなん))の葉によく似ていることから名付けられた。わが国へは遣唐使が持ち帰ったとも言われ平安時代にはすでに栽培されていた。関東ではヤマトイモ・大和芋と呼ばれ、栽培量が多い。形には手のひら型,棒状,三味線のバチ状といろいろあり、その生長肥大する途中は芋が大変柔らかく傷つきやすいので、土壌が均質で水分や肥料の関係がよければ順調に生長するが、土中に石や草木片があるとそれを避けるため変形する。また、耕土が乾燥して固いと下に伸びられず横に広がって、その生育の切れ目が芋の横ひだとなってあらわれる。4月の上~中旬に種芋を植え付け11月に収穫されるが、冷蔵貯蔵により周年出荷される。

 

 消化酵素のジアスターゼが多く含まれるとともにアミラーゼなどのでん粉分解酵素が含まれているので、一緒に食べる米や麦飯の消化までを助ける。ほかにも蛋白質、ビタミンB1やカルシウム,カリウムが多く含まれており、粘液質のムチンはコレステロールを下げる働きがある。ナガイモより粘りがあり、すりおろしてからダシ汁で割って食べる。そのほか、はんぺん,和菓子の材料にも用いられている。

 

選び方と保存  白くヒダの少ないもの。保存はポリ袋に入れて冷暗所へ。

旬  8~10月。