22. エンサイ 空心菜

 

   東南アジアが原産のヒルガオ科のつる性の野菜で、別名アサガオナ,ヨウサイ。また茎が中空となっているので空心菜(くうしんさい)とも呼ばれる。高温多湿を好み生育適温は25℃前後と暑さにはきわめて強く、熱帯アジアでは広く栽培され重要な野菜となっている。わが国へは江戸時代中期に渡来したようである。1990年頃から、エスニック料理で人気が定着して、家庭でも食べる人が増えだした。

 

   繁殖力が強く家庭菜園向きの野菜で、草丈が30㎝以上になったときに2~5節を残して収穫すると次々と芽が伸びて何回も収穫ができ、とくに夏場の葉ものの少ない時に重宝する。栄養価が高く、カロテン,鉄分はほうれん草を上回っている。葉は柔らかく煮くずれしやすいので、葉と茎は別々に調理したほうがよい。油炒め,ごま和え,お浸しなどにするが、ゆでて時間がたつと鮮やかな緑が黒くなるので、早く食べること。

 

選び方と保存   葉はしおれがなく、茎の固くないもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬   夏。

*注 空芯菜/くうしんさいの名前は、商標登録がされているので使えません。

 

エスニック料理

 

   日本経済はバブル景気(1986年12~1991年2月)の中、1983年に連載が開始された「美味しんぼ」が火付け役となり、エスニック料理・イタリア料理が定着した。エスニック料理というとタイ,インド,韓国など東南アジア系の辛い料理と思われがちだが、本来の言葉の意味は「民族料理」のこと。世界各地に移住した人々が出身国の料理を食べられる料理店をはじめたことが起源となっていることから、すべての民族の料理がエスニックと呼ばれてもよい。