26. カイラン 芥藍

 

   西ヨーロッパが原産で、野生種からケールが出来て、これが元になってコラード,カイラン,キャベツと多くのアブラナ科の仲間が分化していった。このカイランはとくに中国で改良され、南部地方では古くから栽培されている。

 

   先端に白色の花を付け、とう立ちした茎やつぼみと若葉を食べるキャベツといえる。若葉にはやや苦みがあるが、茎には独特の香りと甘味があり、ブロッコリーに似た風味で、代用としても使われる。調理にはカキ油が合い、油炒め,煮込みなどにするが、広東料理には欠かせない材料のひとつである。

 

選び方と保存   葉がみずみずしいもの。保存は水洗い後、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬   夏。

免疫強化とやさい

 

  免疫強化には、①活性酸素から身体を守る…自分では動くことができない植物が、紫外線によって多量に発生する活性酸素*1,から自身を守るために生合成されるのが「ファイトケミカル」*2,です。人はこの植物が作った「ファイトケミカル」を食べることで、抗酸化作用を利用している。ファイトケミカルは植物の色素・香り・辛味・苦味の成分で、およそ1万種類くらいあるといわれる。代表的なものは、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンなどのカロテン類,淡色野菜のイオウ化合物類,赤ワインで有名なポリフェノール,スイカやトマトの赤色成分であるリコピン,ブルーベリーやむらさき芋のアントシアニン,かんきつ類の苦味や香りの成分のテルペン類,大豆のイソフラボン,ゴマのリグナン,そばのルチン,コーヒーのクロロゲン酸,タマネギのケルセチン,お茶のカテキンやタンニンなどで、これらは、抗酸化作用や免疫力を高める作用が認められ、多くの病気を予防することがわかってきた。

 

*1, 活性酸素は体内でエネルギーを作ったり、侵入してくる菌や異物を溶かしたりと有益に働くが、過剰に発生したときには身体にすさまじい害を及ぼす。活性酸素は電子がひとつ足りない状態なので不安定で、近くにある物質から電子を奪い取って安定しようとする。電子を奪われた物質はいわゆる「酸化」された状態となる。とくに細胞膜などが酸化されて死んでしまう。また活性酸素によって遺伝情報を担うDNAが傷ついてがんの発生要因ともなり、動脈硬化(心臓病や脳梗塞などの循環器系疾患の引き金)の原因も作る。

*2,「ファイト」とはギリシャ語で植物を指す

 

免疫強化には、②血液中の白血球の活性を向上させる…私たちの身の回りには、風邪やインフルエンザ,病気を起こすウイルスや細菌,カビなどがあふれており、常に身体の中に侵入している。それでも病気にならないのは、白血球*1と呼ばれる免疫細胞が自己の細胞ではない異物を常に排除し続けている為です。現在、特定の食品を摂取することで白血球が増えるということは無いので、減らさないための努力が必要となる。私たちの体の細胞はたんぱく質でできているので、普段からたんぱく質*2を摂取し、さらに免疫機能を守るビタミンAやビタミンE、そしてミネラルも効果的です。また栄養を体内に吸収するための腸内環境を整える発酵食品や乳酸菌、食物繊維も摂取して、バランスよく栄養素を摂ることが大事です。 

*1,白血球の種類には、①マクロファージは、体内のいたるところに存在し、異物を見つけたら食べてしまう。病原体と最初に出会うので、樹状細胞に病原体の侵入を知らせる役目もある。②樹状細胞の免疫は強力だが、病原体を見つけてから動き出すまでに時間がかかる。樹状細胞は体内のあらゆるところに存在して、ウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、リンパ節にいるT細胞やB細胞などに抗原情報を伝え、活性化させる。活性化されたT細胞やB細胞が、異物を攻撃して排除する。こうして私たちの体は守られています。

*2たんぱく質…肉類,魚介類,卵類,乳製品,大豆類。

*風邪が治りかけの時の黄色っぽい鼻水は、細菌やウイルスが体内に侵入して、それをやっつけるために働いて死滅した白血球や免疫細胞であって、身体の中の免疫が働いている証拠でもあります。