33. カリフラワー 花椰菜 Cauliflower

 

   地中海沿岸が原産のアブラナ科で、野生キャベツからケールが栽培され、ついで花蕾(からい)の肥大するブロッコリーができ、その中で突然変異で花蕾の白いものがカリフラワーとして分化したといわれ、イタリアやフランスでは古くから栽培されていた。わが国へはメキャベツとともに明治初年に移入され、茎が長く椰子(やし)に似ているので花椰菜(はなやさい)とも呼ばれる。定着したのは戦後になって品種改良が進み、わが国の気候風土にあった品種が育成され、作型が確立するようになってから。ただ、需要はここ数年減少傾向である。

 

   食用にするのは花蕾(カード=つぼみ)の部分、花芽の集合体と肥厚した若い茎で、白く固まったものほど品質がよい。栄養はビタミンCが多く良質で、またカルシウムや蛋白質,鉄分にも富んでいる。これら栄養分の流失をできるだけ防ぎ味を落とさないためには、少量の水で短時間にゆでるとよい。このときに小麦粉(沸点が上がるので柔らかいゆであがりとなる)や酢を少し入れるとアクがとれ白くゆで上がる。クセがないことからサラダや炒め物,甘酢漬け,グラタン,裏ごししてスープなどに幅広く使える。

 

   生育にはキャベツと同様に冷涼な気候を好み、適温は日中20~25℃,夜間10~18℃で,5℃以下では生育は止まるが寒さにはよく耐える。温度変化には敏感で障害(異常花蕾)がおこりやすく、春・夏の良品は少なく秋・冬物の品質がよい。蕾(つぼみ)が卵大になった時、外葉で蕾を包み光線による黄変を防ぎ純白に仕上げる。異常花らいとして、ボトニング,リーフィ,ライシー,ヒュージー,ブラインドなどがある。代表種は野崎早生,アーリースノーボール,スノークラウン,アーリーホワイト,新雪,白菊など。表面が紫色のパープルフラワーもあり、ゆでるときれいな淡緑色になる。ほかにも橙色のカリフラワーもある。2022年の収穫量は22,200t、構成比は、①茨城12.0%,②熊本11.5%,③愛知10.5%,④埼玉9.3%、そして長野,徳島,新潟,福岡…と続く。

 

選び方と保存   白くて緻密で締まったもの、表面が黄色や斑点がでると注意。茎の切り口がみずみずしく弾力のあるもの。保存はラップに包んで冷蔵庫へ。

旬  11~12月、そして2~5月。

カリフローレ

 

   トキタ種苗がカリフラワーを選抜改良したもので、カリフラワーは茎部が短く食べる部分も頂花蕾だけでしたが、このスティックカリフラワーは茎部を長くして収穫する。茎の緑と花蕾の白が鮮やかで、料理にアクセントを添える。ゆでてサラダにするのがシンプル、茎の部分をベーコンで巻いたり、豚肉,牛肉で巻いてお弁当もいいですね。甘みが強く、クセがないので、和洋中、何でも合います。2014年から茨城、2015年から熊本などで栽培が始まった。


 

ブロコフラワー Broccoflower

 

   オランダでカリフラワーとブロッコリーの雑種として育成され、現在では米国でもその利用は広がってきている。花蕾(からい)は薄緑色をして、当初はグリーンカリフラワーとも呼ばれていた。元をたどると地中海沿岸が原産のアブラナ科で、野生キャベツからケールが栽培され、ついで花蕾(からい)の肥大するブロッコリーができ、その中で突然変異で花蕾の白いものがカリフラワーとして分化したといわれている。生育には比較的冷涼な気候が適し適温は昼間で15~25℃,夜間で15~20℃、一方花蕾の発育には5~20℃の低温がよいとされ、関東,関西では秋から冬にかけての栽培が中心となる。カリフラワーに比べると甘味があり、サラダやシチューの実,各種の添え物にする。