71. ジュンサイ 蓴菜

 

 温帯性気候の各地の湖沼に分布するスイレン科の多年草で、「古事記」(712年)に名前がでてくる。ヘドロ層の深い古池や沼にはえ、地下茎が水底の泥の中を横に這(は)って、細長い茎をだし葉をつける。葉はだ円形で水面に浮かび、初夏には葉のわきから長い花柄を出し紅紫の花を咲かせる。食用部分は水面から40㎝位下の淡緑褐色の若い芽や巻いた葉で、まわりを寒天状の濃い粘質物でおおわれている。水温が10℃以上で発育を始め、水温の上昇とともに生育は旺盛となる。淡泊な味とつるりとした舌ざわりが好まれている。生は熱湯にさっとくぐらせてから酢の物,和え物,すまし汁にする。秋田,青森の栽培が多い。

 

選び方と保存  若い芽が小さくヌルヌルの多いもの,若芽が大きくなると苦味がでてくる。保存は冷蔵庫かゆでてびん詰めにする。

旬 6~7月。