98. チコリ Chicory  

 

 ヨーロッパに野性するキク科の多年草で、和名キクニガナ,フランス名はアンディーブ Endiveと言われる。古代ギリシャ,ローマ時代から栽培されていた記録があるが、軟白栽培はベルギーのブリュツセルで1920年頃に土をかぶせて保存していたチコリの根が膨らんでいるのを発見、これから始められ、現在ではベルギー,フランス,オランダ,ニュージーランドなどで多く生産されている。わが国へは明治初年に導入されたが、栽培はまだわずかでほとんどが輸入されている。

 

 栽培には根株を養成し、その直径が4~6㎝,重さ150g以上になったとき掘り取り、これをハウス内で随時遮光(しゃこう)した暗黒下で伏せ込み軟白をする。軟白温度は16~20℃で20~25日間が最適である。軟白部の色が黄白色のものと赤紫のものがあり、品種にはZoom,フラッシュなど。

 

 軟白した結球を食べるもので、ちょうど白菜の芯の形をして長さ15㎝くらい。特有のほろ苦さと、セロリに似た香り,歯切れのよい舌ざわりを賞味し、サラダや肉料理の付け合わせに利用する。また、根は乾燥させてコーヒーとブレンドするとコーヒーの味がよくなると言われる。  

 

 イタリアでは露地栽培されたものがラディッキオ (Radicchio) とよばれ、種類も多くパスタや肉やチーズと合わせてさまざまな料理に用いられる。

 

選び方と保存 葉の色が黄白色で、切り口が新しいもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬 冬。