13.ベニコダマスイカ  紅小玉西瓜

 

 すいかの一変種で、わが国ヘは大正6年に中国出身の日本留学生の繆嘉祥(りょうかしょう)氏が郷里から持ち帰ったものが改良された。果実は平均2㎏前後,果肉は赤い色で平均糖度13度と甘く、皮が薄いので果色部が多く姿の美しさかわいらしさが持ち味、食味も大玉と似ている。日持ちが悪く割れやすいなどの欠点もある。栽培は近年、増加しているがこれは核家族化の影響とか、冷蔵庫に入れやすいといったことに加えて、大玉に近い食味を持つ品種に変わっていることがあげられる。

旬 5~7月。

 

(1) 紅こだま

 

 ナント種苗が愛知県下にあった黄肉小玉種に赤肉小玉種・無地皮を交配して育成、昭和39年に発表した。極早生の小玉スイカで、作りやすい品種。果皮は薄く果肉は線維が少なく滑らかで種が少ない、重さは約2kg前後、糖度は12.5度以上と甘くておいしい。

 

(2) ひとりじめ7(セブン)

 

 萩原農場が(祭りばやし母系×小玉系統)×ひとりじめ後代から選抜,育成したもので、2002年に発表される。果皮は濃く太い縞模様、果肉は鮮やかな濃桃紅色で肉質は大玉に近くシャリ感があり糖度が高く食味がよい。姉妹品種にひとりじめ,ひとりじめBonBon,ひとりじめSmart,ひとりじめHM,ひとりじめロングがある。

 

(3) その他

 

①サマーキッズ…萩原農場が国内外の小玉系×姫甘露系TKから選抜,育成したもので、1995年に発表される。果皮は濃く細い鮮明な縞模様、果肉は鮮やかな紅色で肉質はしまってシャリ感があり糖度が高く食味がよい。

 

②マダーボール…みかど協和が昭和55年に{(台湾より導入の小玉・無地皮・だ円形)×紅こだま後代}に、さらに紅こだま後代を交配,育成して昭和60年に発表したラクビーボール型の小玉スイカ。果皮は鮮明な細縞、果肉は濃紅桃色で繊維は少なく適度にしまり、糖度が高く食味は極めてよい。作りやすくて変形や空洞果になりにくく、日持ち性や輸送性に優れる。

 

③姫甘泉…丸種(マルタネ)株式会社が(甘泉の母系×赤肉小玉)×紅こだま後代から選抜,育成したもので、1998年に発表される。果皮は濃緑地に鮮明で太い縞があり、果肉は鮮紅色で繊維が細く緻密でシャリ感があって糖度も12度以上あり甘い。着果性に優れ安定した収穫があり、日持ちもよい。