4. アサツキ 浅葱

 

 中国と日本各地が原産のユリ科の多年草。古くから食用とされ、「延喜式」(927年)に記載がある。北海道から四国にかけての山や平地などの日当たりがよく、排水のよい土地に群生しており、名前はネギよりも葉の緑色が浅いので、浅い葱(き)(古くはネギのことを葱(き)と呼んだ)といわれたもの。最近、入浴剤に浅葱色(あさぎいろ)がよく使われ、これはきれいな薄い青色を呈している。5~6月には地中にらっきょうに似たりん茎を作り、次々と分かれ5~20球くらいに増えて薄紫色の花が咲き、葉が枯れて休眠する。秋に再び芽を出して葉が繁り越冬中に、またすっかり枯れてしまう。そして、冬から早春にかけて新芽が伸びたのを食用とする。東北地方では柔らかい新芽と地下部の軟白化したりん茎部分を食用とするが、関東地方では地上部が40㎝位まで伸びたのを葉ネギとして利用する。葉はネギと似ており、さっとゆでてヌタなどの和え物,お浸し,ごま和え、また、生のままりん茎にみそをつけて付き出しにもする。栄養価が高く、強壮食品として知られる。

 

 関東では葉ネギを若どりしたものが「浅月」と呼ばれて業務用に使われる。ねぎ,わけぎ,あさつきの中では一番臭いが柔らかで、そばなどの薬味や彩りに料理の引き立て役である。品種は九条系,黒昇り系が主に使われている。産地は山形,福島,北海道、神奈川,山口,埼玉…と続く。

 

選び方と保存  まっすぐに伸びて、葉の緑が濃く白い部分が少ないもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬  1~3月。