2. アーリーレッド    紫玉葱

 

  西アジアから地中海沿岸が原産のユリ科で、別名レッドオニオン,紫たまねぎ,赤たまねぎなどと呼ばれる。神奈川県園芸試験場が昭和28年に米国から導入したスタックトン・アーリーレッドの選抜を重ねて、昭和36年に湘しょう南なんレッドと命名して普及に移した。こうした努力の中で40年代に入って生産が本格化した。

 

  表皮は赤紫色をしており、輪切りにすると円状に着色して美しい。この赤紫色はシソやナスと同じアントシアン系色素で、酸で赤くなる性質があり、ドレッシング,甘酢漬けにすると色がいっそう鮮やかになる。辛味や刺激的な香りが少なくて水分が多く、食べやすいことからサラダなど生食用とされる。たまねぎの刺激成分は空気に触れると出てくるが、水にさらすと溶けて刺激がやわらぐ。代表種はレッドアイⅡ,湘南レッド、ほかに猩々赤(しょうじょうあか),ルージュなど。主力産地の北海道では、このレッドアイⅡ(タキイ種苗)が2020年で100haの栽培面積がある。

 

選び方と保存  外皮は濃い鮮やかな赤紫色で、さわって固いもの。保存は風通しのよい冷暗所で。 

 

旬  北海道の新物が出回る9~10月。