13. ウ ド   土当帰,独活

 

 日本の原産で、中国,朝鮮にまで広く分布,自生しているウコギ科の多年生草木で、タラの芽をとるタラとは近縁である。古くから食用とされ、江戸時代には軟化をともなう栽培が始まっている。 軟白した芽を野菜として用い、味が淡泊でちょっと苦みがあるのがうまい。とくに、春に出回るのがおいしく、特有の香気があり、春の料理には欠かせない。95%が水分で、栄養的にはほとんどとるに足らない。酢の物,和え物,汁の実,煮物,サラダ,そして、千切りにして水にさらし刺身のツマにする。生で食べる場合が多いが、微量のタンニンを含み、褐変をしやすいので皮をむいたらすぐ水にさらし、切ったものも水または酢水にさらすと白く仕上がる。2020年の収穫量は1,450t、構成比は、①栃木39.3%,②群馬31.6%,③秋田8.8%,④山形3.4%、そして青森,東京,兵庫,埼玉…と続く。

 

 栽培は春から夏の間に畑で根株を養成し、その根株を随時、遮光(しゃこう)した溝や穴,小屋やハウスの中で軟化栽培して生産される。東京都下,埼玉,京都など都市近郊産地を主体に出回る。品種は大きく2種類に大別される。①寒うど…冬の寒い時期(7~8℃)でもよく伸びるが、肉質はやや固め。品種は白芽,赤芽。②春うど…冬の低温を経て暖かくなると芽を出し、17~18℃以上で大きくなる。品種は坊主,紫芽,伊勢白などで品質がよい。                         

 

 このほかに香りのよい山ウドと呼ばれる葉も茎も青い自然のものや、茎の下部に土を寄せて軟化させ、上部と葉に光を当てて緑化させた露地や促成栽培のものがあり、最近は自然回帰の中で人気がでている。

 

 「うどの大木(たいぼく)」は、からだが大きく役に立たないことをいうが、うどの茎は大きくなっても柔らかく、役に立たないことからきている。

 

選び方と保存  全体にうぶ毛があり、白く中太で枝分かれの少ないもの。保存はラップに包んで冷蔵庫へ。山うどは時間が経つとアクが強くなるので、少しでも早く皮ごとゆでて水にさらして皮をむいて冷蔵庫へ入れる。

旬 3,4月。