14. ウルイ

 

 中国と日本が原産のユリ科のオオバギボウシの若い葉柄、北海道から九州まで広く分布して山間地の半日陰で、沢沿いの湿っているところに群生する。オオバギボウシは大葉擬宝珠の意味で、葉形が大きく初夏のころに伸びる花茎が橋の欄干などの柱頭に飾られる擬宝珠(ぎぼうし)(柱を腐食からまもる役割りをしている)に似ていることから名付けられた。ウルイというのは「潤い」が転じたものでぬめりのある食感から来ているとも、いつも水がわき出るところに生えているからともいわれている。 ウルイは香りはないが独特のヌメリを持ち、わずかな苦みとしゃきしゃきとした歯ごたえを利用する。食べ方はお浸し,ごま和え,酢みそ和え,からし和え,一夜漬け,天ぷら,汁の実など。促成栽培では充実した根株を秋に掘り取り、1~3月にハウスに並べて温度をかけると芽が出てくる。もみ殻を15cm以上かけて下半分を白く仕上げ1カ月ほどで収穫できる。2020年の収穫量は204t、構成比は、①山形67.2%,②新潟17.2%、そして福島,岩手,島根…と続く。

 

選び方と保存  葉は鮮やかな緑色でパリッとしたもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬  春。

  

酢の消費量

 

 ウドやウルイは、酢みそ和えで食べることが多い。これは、酢のもつ食欲増進効果に期待するものであり、夏ばて対策や殺菌効果によるところであろう。1世帯あたり酢の消費量は2023年、全国平均が1.630cc/年、①長野市2.340cc/年,②札幌市2.300cc/年,③青森市2.280cc/年,④鹿児島市2.260cc/年…大分市,和歌山市,盛岡市,大津市,水戸市,宮崎市,津市,奈良市,相模原市…などとなっている。調査年によって、ばらつきの多い資料でもあります。

   酢は、クエン酸がエネルギー代謝をよくし疲労回復を早める。酸化を抑制しビタミンC(しみ,そばかすの原因を取り除く)、カルシウム(骨格の形成)の働きをよくし、カリウムがナトリウムの排出を促し高血圧の予防に役立つ。ほかにも、殺菌,脱臭,防腐,アルカリ性の汚れを落とす作用を持っている。

*「家計調査結果」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html)の都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング。