35. キクラゲ   木耳

 

   広葉樹のとくにブナ,ミズナラの枯れ木,倒木などに群生する耳形から半円形のキクラゲ科のきのこで、淡褐色から黒褐色,ゼラチン質で柔らかい。特有のコリコリした歯切れのよさを賞味し、さっとゆでて酢の物が美味である。中華料理の炒め物,煮物,吸い物にする。ふつうのきのこよりはるかに水分を含むので、乾燥品の歩止まりは低い。栄養的にはカルシウム,鉄などが多い。2021年の収穫量は1,555t、構成比(2020年)は、①岐阜17.9%,②宮城9.9%,③熊本8.7%,④茨城8.5、そして鳥取,富山,愛知,新潟,鹿児島…と続く。乾燥品は国産が148tに対して、輸入が2,206と大部分を輸入にたよっている。輸入先は中国で、栽培にはしいたけと同じように菌床栽培や原木栽培である。

 

   近縁種にきのこの上面に毛が密生したアラゲキクラゲがある。昔から不老長寿の食品として珍重された白色のシロキクラゲはシロキクラゲ科で、花びら状のハナビラニカワタケも同じ仲間である。

 

選び方と保存   5~6㎝のゼラチン質で柔らかいもの。保存は冷蔵庫へ入れる。

旬   秋。