56. ササゲ

 

   アフリカが原産でマメ科に属し、古くからアフリカ,地中海沿岸,アジアの南部に分布して、わが国でも「古事記」に記録があり、栽培されてきた。さやが上を向いて、手でものをさし上げたように見えることから、ささげるという意味で名前が付いた。別名ササギ。乾燥した豆は赤飯に混ぜると、小豆(あずき)のように胴体中央で割けることがないのでもっぱら本種を用いる。他のマメ類と同じように暑さに強く、インゲンが暑さのために弱る時期に栽培されるが味はインゲンよりやや劣る。未熟でまだ緑色の若い莢は、ふつう10~30cmの長さだが、ジュウロクササゲは30~60cmにもなる。油炒め,煮物が多い。

選び方と保存  鮮やかな緑色で、若くはりのあるもの。保存は冷蔵庫へ

旬  7~9月。

 

 北海道のササゲ (ササギ)

 

  余市町を中心に2020年で20.7haが栽培されているのが、大平莢尺五寸(おおひらさやしゃくごすん)。これはインゲンマメ属の仲間なので、ササゲとは違うのだが、名前だけが定着(ササギの名前の方が通りがよい)した。天ぷら・かき揚げから、アスパラと同じようにゆでてマヨネーズをかけて、バターで炒めて醤油を一回し、豚肉巻き、あとは定番の煮物。旬は6月下旬~10月。