105. トウミョウ  豆苗

 

  中央アジアから中近東が原産でマメ科に属し、中国では清の時代の宮廷料理にあるほどで、古くから食べられていた。エンドウの若い芽を利用する所から中華料理の中でも高級品である。若い芽が10㎝位のものを利用し、上品な甘味とほのかなエンドウの香りがする。また濃い緑色は料理に彩りを添える。色と風味を生かすのはやはり炒め物で、強火でさっと炒める。ほかに豚肉などとともに油炒めにしたり、お吸い物やスープの浮かしとする。

 

  1995年頃から、植物工場で豆を発芽させた状態(スプラウト・芽物野菜)の豆苗が栽培され、1996年の夏以降に発生した病原性大腸菌「O-157」による集団食中毒の発生を機にカイワレダイコンの出荷量が8割もの減少となったことの打開策として生産を拡大させた。植物工場で水耕栽培されることから、農薬を一切使わず、天候に左右されず年間通して安定生産が可能となり、家庭にも浸透するようになった。植物は発芽し成長を始めると、栄養素や成分をたくさん合成する。カロテン、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、食物繊維を豊富に含んでいて、たいへん栄養価が高い。一度料理に使用した後、残った豆と根を容器に入れて根だけが水に浸るようにして窓際など室内の明るい場所に置いておく。すると新しい芽が伸びてきて、1週間から10日ほどで再収穫ができる。ほのかなエンドウ豆の香りと甘味、シャキシャキとした食感が特長。アクが少なく、サラダやスープ、サンドイッチ,肉料理の付け合わせとする。

 

選び方と保存  若い芽が10㎝位のもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬  1年中。