115. ナメコ 滑子

 

   モエギタケ科のきのこで、けやき,なら,ぶななどの広葉樹の切り株や倒木に群生し、別名なめたけともいう。自然の中ではかさは10㎝位まで大きくなり、きのこ全体が粘液に包まれ独特の風味と歯切れのよさを賞味する。含有量の95%は水分で、成熟するのに伴って腐敗しやすくなるが、幼時は粘質物で全体がおおわれており、煮ても溶出成分が少なく破損が少ないので、缶詰めに適している。なめこの自然の発生期は秋で、9月下旬から12月上旬である。寒冷地では早く温暖地はおそい。

 

   栽培には、しいたけと同じ原木(ほだ木)栽培と菌床栽培がある。原木栽培は昭和20年代末期から30年代が最盛期、菌床栽培は昭和40年代前半から始まり、原木栽培のように原木の入手難と発生時期が制約されるなどがないことから、今ではほとんどがこれで、周年栽培がされている。培地として広葉樹のオガクズやコーンコブ(トウモロコシ穂軸の粉砕物)と栄養源として米ぬか,ふすまをまぜて適量の水を注ぎ、ビニール袋かビンに入れて殺菌をする。その後、種菌を植えつけて20℃,湿度90%の培養室で60~70日間培養、その後、温度を15℃位で酸素や水を与えて発生を促すと約20日で収穫ができる。

 

   栄養はビタミンB2とプロビタミンD(エルゴステリン)に富み、生ものは一度ゆでてから大根おろしとあわせて和え物に、またナメコ汁などにされる。(シイタケのところにキノコの年間収穫量のグラフがあります)。2022年の収穫量は23,773t、構成比は、①長野22.8%,②新潟20.9%,③山形18.1%、そして福島,北海道,宮城,群馬,三重,岐阜,大分…と続く。