123. ネマガリタケ

 

   本州の中央以北の山地に大群落で自生し、北国の北海道や東北などでタケノコといったら、このネマガリタケのことを指すほどで、ジダケとも呼ばれる。ネマガリタケはチシマザサという四季を通してきれいな緑色をした笹から生えてくるタケノコで、茎は地際で曲がって上に伸びていることから名前がついた。大人気の山菜ゆえに、このたけのこを探して毎年多くの人が山に入り、深くて密生した笹(ささ)薮(やぶ)の中でタケノコ取りに夢中になり、ついついわれを忘れて遭難する人は後を絶たない。

 

   料理には、アクがなくサクサクとした歯ざわりで、天ぷら,汁の実,煮物,おでん,皮付きのまま直火焼,たけのこご飯など。信州ではサバ缶とネマガリタケのみそ汁が定番である。2020年の収穫量は83.8t、構成比は、①青森29.8%,②山形22.7%,③新潟18.3%、そして秋田,北海道,長野…と続く。

 

選び方と保存   根元近くを左右に曲げると簡単に折れるので、軟らかい部分のみ食用として使う。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬   5月下旬~6月。