133. パプリカ  Paprika

 

   熱帯アメリカ原産のナス科、とうがらしの一品種でスペイン,ハンガリーで改良されて辛味がなくなったもの。カラーピーマン,ジャンボピーマン,ベルピーマンとも呼ばれるように、1個大きいものでは200gもある大型で肉厚である。これは柔らかく甘味があり子供の嫌うピーマン臭がなく、熟すると黄,赤,黒(緑色地にアントシアンの紫色が残っているもので、熱を加えると緑色になる)になるものがあり、緑色とあわせて生でサラダやピザ,スパゲティなどの料理に彩りを添える。香りと歯ざわりを生かすなら加熱しすぎないこと。1980年代後半のニュージーランドからの輸入をはじめとして、1993年に植物防疫法の改正によりオランダ産の輸入が解禁となり業務用や高級野菜の位置付けから家庭料理の食材として年々増加、輸入量は2023年で25,027tとなっている。構成比は、①韓国86.1%,②ニュージーランド8.8%,③オランダ3.8.%で、品種はオランダ・エンザ社のスピリット,スペシャル(赤),フィエスタ(黄)がほとんどである。国産の供給量は2020年で15.4%にとどまっているが、これは栽培の要求温度が昼間が25~30℃,夜間は18~23℃と高いことと、栽培期間の長いことが原因である。緑色のピーマンは花が咲いてから15~20日で収穫できるが、パプリカでは50~60日もかかる。ゆっくりと熟成するだけに栄養価は高い。

2020年の収穫量は6,710t、構成比は、①宮城20.4%,②茨城19.1%,③大分13.4%、そして北海道,山形,静岡,長野,熊本…と続く。

選び方と保存    色が濃くはりと光沢のあるもの、皮がしなびたりヘタが腐れやすいので注意。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ、8~10℃が最適で低いと低温障害で腐敗が増える。

旬   5~8月。