160. マッシュルーム  西洋松茸 Mush room

 

   ヨーロッパが原産のハラタケ科のきのこで、わが国ではツクリタケと呼ばれる。欧米ではマッシュルーム、または、シャンピニオンとも呼ばれているが、両者ともきのこという意味である。牧畜が盛んな欧米では草原のきのことして、もっともふつうの食用種で愛好され世界的にも需要が多く広く栽培されている。わが国では明治の末に栽培が始まった。

 

   マッシュルーム菌の生育には、23~25℃,湿度70~75%が適当で、菌の発生にはそれより低い温度が必要である。栽培は堆肥を15~18㎝の厚さにしき、種菌を植え、1~2週間後にその菌床のうえに2㎝ほどの土をかける。その後約1カ月で収穫が可能となる。

 

   まつたけのように香りがないが、味の点でははるかにすぐれ、欧米人はこの独特の風味を好み、かれらの肉類やバターを用いる料理には欠くことのできない重要な地位を占めている。他のきのこ類と比べて粗蛋白質が非常に多く、その約半分は純蛋白質で必須アミノ酸にも富む。また、ビタミンB2とプロビタミンDも多い。わが国でも、食生活の多様化にともなって 需要が伸びている。生のままサラダ,そしてバター炒め,スープ,グラタン,シチューなどにする。品種はわが国で普通に見られる白色種のほかにクリーム種,褐色のブラウン種がある。

  2020年の収穫量は6,980t、構成比は、①千葉41.4%,②岡山33.0%,③山形19.5%、そして茨城,岩手,福岡…と続く。この中で缶詰等の加工用が7%を占め、産地は山形である。  

選び方と保存   果肉が白く厚くはりのあるもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。                          

旬   10~12月。