169. メキャベツ  Brussels sprouts

 

   西ヨーロッパ原産でアブラナ科。キャベツの仲間で、ベルギーのブリュッセルで改良され栽培が始まったことから、英名はブリュッセルスプラウツ(スプラウツは芽のこと)と呼ばれ19世紀に各地に普及した。わが国へは明治時代初期にキャベツといっしょに導入され、子持ち甘藍(かんらん)と呼ばれ縁起をかついで結婚式の料理によく使われる。消費が一般化したのは戦後で、とくに昭和30年代後半から40年代が全盛、その後収穫と調整に手間がかかることから停滞している。

 

   比較的冷涼な気候を好み、適温は10~15℃,収穫適期になるとわき芽が結球してくるので、頂端部の葉を残して下から順々にかきとる。一株の収穫はおよそ70~90球前後で、良質のものは形が丸くよく巻いて鮮やかな緑色をしている。千葉の南房総や神奈川以南の暖地では、7月に播種して12~4月まで収穫をする。また、東京,埼玉などでは6月に播種して10~3月まで収穫、北関東などの準高冷地では4月に播種して8月に収穫をする。近年、ケールとメキャベツを交配した品種として、プチヴェールPetit vert(フランス語で小さな緑)が生産されている。これは非結球性キャベツで、葉先がゆるやかに縮れ緑色のバラの花のようである。

 

   栄養分はキャベツと同じようにビタミンA,Cが多く、水分が少ないだけにキャベツを上回るものがある。消費は業務用が中心で、家庭用はこれからである。主に洋食の添え物とし、少しアクがあるので芯の方から十文字に包丁をいれ軽くゆでて、バター炒め,クリーム煮,シチュー,天ぷら,含め煮,八宝菜,サラダにしてマヨネーズをかけて食べる。

2020年度の国内収穫量は374tでこのうち静岡が93.9%を占めている。

選び方と保存   緑が鮮やかで、形が丸くよく巻いているもの。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ。

旬   12~3月。