172. ヤーコン  Yacon

 

   南米アンデス地方のエクアドル,ペルーが原産のキク科。わが国へは昭和60年にニュージーランドから導入され、暖地,寒冷地をとわず簡単にさつま芋やじゃが芋のように作れる、ただし乾燥は禁物である。茎の根元にサトイモの子いものような塊茎を付け、これを種いもとして使う。イモ自体には芽がないので繁殖はできない。収穫してすぐのイモは甘味がないが1~2カ月貯蔵すると、重量の約10%含まれているフラクトオリゴ糖が少しずつ分解してフラクトース,グルコース,ショ糖に変化して甘くなる。このフラクトオリゴ糖は腸内善玉菌であるビフィズス菌の増殖因子で、整腸,便秘解消が期待できる。葉は食後の過血糖を防止し中性脂肪の増加を抑えるなどの機能性が注目されて、お茶として糖尿病の改善に利用され、また、蛋白質が多く飼料としても利用される。

 

   低カロリーで、カルシウム,ナトリウム,マグネシウムなどすばらしいミネラル要素が含まれ繊維質が多く、健康食品として注目されている。薄く皮をむいて果物のように生で食べられる。甘味があり、なしのような風味がありさくさくとした歯ざわりを持つ。調理には水にさらしてアク抜きをするのがおいしく食べるコツで、生のままサラダや和え物,きんぴら,みそ漬け,煮物にする。

 

選び方と保存   キズのない重たいもの。保存は冷暗所か湿ったおがくずの中へ。

旬   秋。