179. ラッキョウ  辣韮

 

  中国が原産でユリ科に属する多年草、中国では2500年ほど前から栽培の記録がある。別名おおにら,さとにらなどと呼ばれ、わが国へは「新撰字鏡」(898年)に出てくるが、最初は薬用として使われ江戸時代から栽培された。

  栽培は種球を6~7月に植えつけ、翌年の6~9月に収穫する。これをさらに1年すえ置きして2年目に収穫すると、球数が多く小粒になり花らっきょうとなる。夏に地上部が枯れて休眠に入り秋,冬,春に向かって生長する。やせた乾燥地に適し、福井,鳥取,富山などの海岸砂丘地帯は小球で、外観,品質ともによいものができ大産地となっている。品種は、らくだ,八房,玉らっきょうの3種。収穫量は漸減傾向でこの30年間を見ると半分以下になっているが、これは米食と結び付いているからである。ただカレー料理には付き物でありこの需要は多い。

 

   栄養的にはアリイン類を含み、ビタミンB1の吸収をよくして破壊されにくい形に変え、体の中でエネルギーを作る働きを持つ。甘酢漬け,しょうゆ漬けのほかに、天ぷら,炒め物,小さくカットしてサラダや薬味とする。

2020年の収穫量は7,400t、構成比は、①鳥取38.5%,②鹿児島29.6,③宮崎10.3%、そして徳島,沖縄,福井,高知,茨城…と続く。この中で、ラッキョウ漬けなどの加工用が35%を占めている。

選び方と保存   小粒でふっくらとして、肌が白く芯が伸びていないもの。保存はポリ袋に入れて冷暗所へ。

旬   5~6月。

 

らっきょうのつけ方

 

 土つきのらっきょう1㎏をよく洗って、頭を切り100gの塩で漬けると、約3週間で乳酸発酵が終る。この乳酸発酵によって変色原因となる糖分を乳酸菌に食べさせて減らすとともにアクを取り去る。これを流水で一昼夜塩抜きする。少し塩分が残るくらい、これに漬け酢(酢400cc,水200cc,砂糖200gを煮とかしたもの)を注ぎ、赤とうがらしを4~5本入れ、そうして、1カ月で食べられる。