183. ルバーブ  Rhubarb

 

   シベリア南部が原産のタデ科、紀元前からギリシャ,ローマで薬用とされ、栽培は16世紀にヨーロッパで始まった。和名は食用(しょくよう)大黄(だいおう)で、漢方薬の大黄と同じ仲間である。わが国へは明治初期に導入されたが、普及は今ひとつである。

 

   多年草で春になると大きな花芽を付けるのでこれを切り取って、初夏に株の外側のふきに似た長い茎を収穫する。数年もすると大株となり茎が細くなるので、株分けをして植え直すとよい。葉柄は独特の香気と酸味があり、食物繊維が豊富で、消化を助け便秘に効果がある。露地物の茎は淡緑色で、軟化栽培するとほぼ全体に赤色となり、これをジャムにすると透明感のあるきれいな色となる。とくにペクチン,クエン酸を含むのでジャムを作りやすく、パイ,ゼリー,サラダに使う。ジャムを作るには葉柄の部分を1㎝程度に輪切りにしてルバーブと同量の砂糖,レモンひとさじを加えて煮詰める。生のままスライスしてサラダに入れても、青リンゴの香りと味がしておいしい。

 

選び方と保存   茎の太さ3㎝,長さ50㎝前後がよい。保存はポリ袋に入れて冷蔵庫へ、そのまま冷凍しておくといつでも使える。

旬   一年中利用できるが、初夏がおいしい。

ジャムを作ろう

 

   短時間で仕上がります。さわやかな酸味とほどよい甘味で、ヨーグルト、スコーン、クレープ、食パンに添える。欧米ではパイやクリームタルトが定番です。ネットでは、コンポートや苺とルバーブのジャムというのも有りました。食物繊維が豊富で、消化を助け便秘に効果がある。

材料…ルバーブ 400g 砂糖…160~200g レモン汁…大さじ1

1. ルバーブは皮付きのまま2cm幅に切ります。

2. ホーロー製の鍋に切ったルバーブと砂糖を入れて混ぜ合わせ、ラップをかけて1~2時間放置すると水が上がってきます。

3.最初強火で10分位木べらで混ぜながら、アクを取りながら、煮ます。

4.そのあと弱火で20分程なめらかになるまで、木べらで混ぜながら煮込みます。

5.レモン汁を入れてよく混ぜ合わせ、火から下ろします。

6.煮沸消毒した瓶に入れて、出来上がりです。

 

漢方薬 とダイオウ

 

 古く奈良時代の正倉院(756年)の薬物の中にも現存する、中国で開発された重要な漢方薬のひとつで、根が黄色いことから大黄(ダイオウ)と名前が付いた。現在はわが国で創出された信州大黄が良質で、北海道などで栽培,供給されるようになった。ダイオウの薬効成分・センノシドは配糖体(糖が結合したもの)なので胃,小腸では吸収されずに大腸まで行き、そこで腸内細菌(ビフィズス菌やストレプトコッカス菌など)による代謝をうけて生成したレインアンスロンが大腸壁を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして寫下(しゃげ)効果(宿便を排泄させる)をもたらす。

 

地獄八景亡者戯 じごくばっけいもうじゃのたわむれ

 

 江戸幕末,天保年間(1830~1843年)に起源のある上方落語のひとつで、江戸落語では「地獄めぐり」と呼ばれる。あらすじは、好物のサバを食べて食当たりで死んだ男が冥土(めいど)で伊勢屋のご隠居と再会するところから始まり、三途(さんず)の川下り,六道の辻,賽(さい)の河原,閻魔(えんま)の庁など、おなじみの地獄の風景がにぎやかに続き、最後は医者,軽業師,山伏,歯抜き師の4人に地獄行きの判決が下る。この4人の男が鬼のお腹の中で大暴れ、鬼が「大王さま、もうこの上はあんたを飲まなぁしゃあない…大王(漢方薬の大黄(ダイオウ)にかけている)飲んで下してしまうのや…」