191. ワラビ

 

   シダ類の一種でウラボシ科、世界中の温帯から亜熱帯に野生するが、食用とするのは中国,韓国とわが国などの東洋に限られている。自然の息吹きを感じさせるわらびは、日本に広く分布し山林,高原,牧場などに多く、地下の根茎はじょうぶで長く横走し、春になるとこれからこぶし状に巻いた新芽がでる。葉柄は初めなめらかで緑色、のちに褐色となる。わらびの名は、早春に発生して自然に萌(も)え出やすいことを、ちょうど藁火(わらび)の燃え易いことに比較してついたといわれる。根からはでん粉が取れてわらび粉と呼ばれ、わらび餅が作られる。

 

   春に若い芽をとって、アクが強いのでわら灰をかけて熱湯を注ぐか、じゅうそう入りの湯でゆでて水にさらしてから、和え物,煮物,浸し物などにする。品種は青茎わらびが品質がよく市場性がよい。国産物はぜんまい同様に数が少なくなっている。2020年の収穫量は509.9t、構成比は、①山形39.8%,②新潟6.9%、そして秋田,岩手,福島,青森,長野,高知,福岡…と続く。

選び方と保存   先が丸まって茎の太いもの。保存は天日乾燥,冷凍,塩漬けとする。

旬   3~6月。